2006年09月17日

地獄の訓練・4

訓練の内容は、「読むこと」「書くこと」「話すこと」、そして「行動すること」であるが、それぞれについて振り返ってみた。
 
「読むこと」
基礎的なこととして、先ずは「発声訓練」がある。大きな声というのは、訓練を通じて要求されることであるが、「発声訓練」はその基になるものである。腹式呼吸を習い、腹の底から声を出す。これの繰り返しである。多くの班友がのどを痛め、シップをしながらの訓練は痛々しく思った。
そして、「素読訓練」なるものがある。文章の一説を重厚な声で朗読するものであるが、流石に教官はうまいと思った。
説得力のある「声」を要求されたが、それよりも「朗読」により得たものは大きい。「ゆっくりと」「まちがいなく」「しっかりと」読むということは、管理者として重要な能力だと思う。今日人前で話したり、読んだりする機会は多い方だが、これらの訓練が大きく生きていると感じる。
 
「書くこと」
IT時代となって「書く」という機会が減ったことは事実だが、だからこそ重要な基礎能力の一つだと思っている。書くこととして「早書き訓練」と「報告書訓練」をおこなった。内容は訓練名のごとくであるが、ここでは「正しく書く」「早く書く」ということは求められたが、中でも、消しゴムの使用禁止がとても印象的である。
「消しゴムで消す、ということは文字を消すというより、思考の軌跡を消すことだ」、といわれ、以来仕事上(研修でも)、消しゴムは全く使っていない。
一般的な便箋を使うときには、「行の二分の一の文字を書け」と教えられた。それは、間違えたときに追記が出来るから、小さな文字は早く書ける、沢山書けるという理由からだ。この事から、私の手帳の文字は極めて小さくなった。
 
「話すこと」
この訓練は、自身にとって最も大きな収穫があった。いわゆる「スピーチ訓練」である。この訓練は全ての基礎訓練の集大成的な位置づけだろうと思っているが、基礎訓練の合格状況を見ながら、早い者は8日目頃から始まった。
8分間のスピーチを2本合格して終了となるが、先ずは原稿作りである。我々の頃はテーマだけ決まっており、その内容をそれぞれが考え8分間のスピーチを行うのである。テーマは「パンと牛乳」と「挨拶の効用」であった。「パンと牛乳」とは、朝、駅の売店でパンと牛乳を朝食代わりにしている現象を題材に、朝食の重要性を考えよう、というものである。
「話の組み立て方」「発声」「抑揚」「間」などなど、多くのことを学び、今も精進しているところである。
 
「行動する」
基礎訓練の間に、「駅頭歌唱訓練」と「夜間歩行訓練」というものがある。
駅頭歌唱はマスコミに必ず取り上げられるもので、富士宮駅前で「セースルスガラス」という歌を、一般の乗降客を前に歌うもので、「声の大きさ」「度胸」などが試される。50メートルくらい離れたところにいる教官からマル印が出れば合格であった。(売店のおばちゃんから褒めてもらえる事もあり、私には訓練の良き息抜きになった。)
「夜間歩行訓練」は二回あり、一回はペアで、もう一回は班全体で、夜間に約40キロメートル歩行するのである。私は人数の関係で一回目は一人、全体の時は隊長として行い、両方とも無事帰還する事が出来た。コースは青木原の樹海が中心であり、最高の緊張感で歩き通した貴重な体験であった。
 
記憶を基に書き進めてきたが、「地獄の訓練」の体験が、私の基礎の多くを形成している事は間違いない。更に、この訓練修了の後、新しく開講された「頭脳の訓練」(上級訓練)にも参加しており、管理者養成学校から得たものは大変大きい。
この訓練を考案した財部一朗氏は、情緒的な日本語を「概念化」したり「定義化」したりする事の上手い人で、心から敬服している。
 
会社において、本訓練を「形式」ではなく、「真髄」を残し伝えてゆきたいと思っている。
 
 
posted by 伊藤保徳 at 17:27| Comment(0) | 人づくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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