2010年10月24日

配属先が適所

昨日から大学院で「人的資源管理研究」という講義を行っている。
我社の具体的事例の紹介が講義の中心だが、事例報告だけでは講義にならないので、先行研究の書籍などを活用して内容を組み立てている。

実は、これが私にとって大変勉強になるところである。

「人的資源管理」というのは、昨日も少し書いたように、「人材マネジメント」であり、人材(人的資源)の確保、育成、活用、評価・処遇という4つの領域でもっとも合理的で効果的な施策を行うことである。


昨日の講義の中で、この4っつの領域を説明したが、「人材の活用」のところで話した「配置」についてある言葉を思い出した。
その言葉とは「適所適材」というものである。
「適材適所」ではなく、「適所」が先なのである。

この言葉は、月刊誌「致知」10月号にあった。

その記事は、「致知随想」という欄で久保田龍太郎氏(日清食品元取締役マーケティング部長)が、『仕事は人生観に比例する』と題した一文である。
久保田氏が日清食品での仕事の取り組み方を自らの体験を通じて述べている。
入社して5年目の頃、常務との話の中で、『君、適所適材になれ』といわれたという。とっさに『適材適所ではないでしょうか?』と聞き返した所、言葉の意味を説明されたのである。

要約すれば、『どこへ行っても(配属されても)、自分の与えられた所、そこを《適所》とせよ。そしてその《適材》となれ』ということである。
以来、人生観の根幹をなしているという。


この記事を読み、「現状の肯定」、「ポジティブシンキング」だと感じた。
配属された部署で、懸命に頑張れるのはこのように「自分の適所」であると考えられるからである。

その部署で行うべき仕事の「知識や技術の有無」など、全く問題ではない。
「適所」だと思うことができれば、仕事を通じて「知識や技術」が高まっていくことを実感するであろう。

あえて言えば、今の若者に欠けている点の一つでもある。


人事部門では、(あるいは上司は)その配属先が本人にとって最も適していると判断して配置をしている。
それは、必ずしも希望と合致していないことがある。
つまり、「本人の考え方次第」ということになる。


『適所適材』とは、人材を最大限に活用するためだけではなく、育成という面でもとても重要な考え方である。




posted by 伊藤保徳 at 06:51| Comment(2) | 人づくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

「適所適材」非常に興味深い言葉です。私も初めて目にしました。

私が管理者教育を行う際に必ず口にする言葉があります。

『人間の器とは、他人が評価するもの。自分が決める物ではない。問題はどの様な器に入れられても自由に形を変化させ、多過ぎてもいけない・少なすぎてもいけない。そういう器の中の水になりなさい』

というものです。この言葉は今年10周忌を向かえた母がいつも私に話し聞かせた言葉です。

文面を拝見してふと母を思い出しましたので、表現は違えども内容は同じと感じましたのでコメントさせていただきました。

Posted by RYU at 2010年10月26日 21:21
RYUさんこんにちは。
コメントをありがとうございました。

お母さんの言葉。

「適所適材」と同じだと思います。
素晴らしい言葉です。

与えられた場所をまずは「適所」を思うこと・・・
意識していきたいと思っています。

Posted by 伊藤保徳 at 2010年10月29日 07:08
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