2009年04月15日

小倉イズム

瀬戸市倫理法人会の昨晩のナイトセミナーと今朝のモーニングセミナーの講師は、株式会社スワン代表の海津歩氏であった。

セミナー案内では、障害者雇用のリーディングカンパニーである「スワンベーカリー」の代表ということで、「障害者雇用の苦労話」だろうと思っていたが、内容は、ヤマト運輸創業者の小倉氏の「理念実践」という感想を持った。

そもそもこの「スワンベーカリー」というのは、ヤマト福祉財団とヤマトホールディングス株式会社によって設立されたもので、「障害の有無に関わらず共に生きていく社会の実現」という、ノーマライゼーションの理念実現の会社という。

「焼きたてのおいしいパン」の製造販売に多くの障害者が携わっている様子を紹介してもらったが、興味を持ったのは「理念」とか「小倉イズム」であった。

講師の海津氏は、アルバイトとしてヤマト運輸に入社、後に正社員となり不振営業所の所長を任されるようになったという。
話の内容から、物事をシンプルに考えたり、今目の前にあることを懸命に取組み、一つづつ成果を出されてきたようだ。

一見困難と思われるような問題に対しても、積極果敢に挑戦されてきた姿は、さながらブルトーザーのようであったと想像する。同時に、がむしゃらな営業マンであったことがうかがえる。


幾つか心に残った言葉がある。
・事件はチャンス
日々降りかかる大小の問題に、「チャンスだ!」と考えているとのことだが、なかなか出来るものではない。氏は、「その時は必死である。しかし振り返って見ると確実に進歩していることがわかる」。と述懐されるが、前向きの極致におもえる。

・小さな成功体験を数多く
人を指導する時に、成功体験を多く積ませること。これはセオリーのように言われているが、「小さな成功体験」とは、褒めること、認めることだととの説明は納得のいくものであった。

・動機は「善」か?
ヤマト運輸には、「ヤマトは我なり」という言葉があるそうで、全社員が社長のつもりで意思決定し、よいと思ったことを進んで行う、という文化があるとのこと。これを全員経営といっているそうである。
「社長の立場で・・・」とはよく言われることだが、なかなか実行できないのが実態である。

意思決定の価値基準として「勧善懲悪」、つまり、損得より善悪、正義は勝つ、ということが明確に伝えられていることが素晴らしい。

・理念だけでは食っていけない
全く同感である。障害者を雇用しての経営であっても、一般的な企業経営と全く変わることなく、その真理を実践している。
ともすれば、「障害者という特別視」をし、支援や協力を当たり前だと思っているような法人や施設への警鐘である。

「障害者は出来ないことが顕在化しているだけ」とし、それは周りが手助けすればよく、健常者の「隠す習性」と比べたら、どちらが優れているかの比較はナンセンスである・・・とも。

具体的には、「能力開発」「商品開発」「販路開発」に取組まれているが、これらは一般企業においても見習うべき事項である。


他にも心に響く言葉があったが、それらの全体が「小倉イズム」であると理解した。

企業の社会的責任、社会貢献などなど、今の私の問題意識に多くの示唆を与えてもらったセミナーであった。


posted by 伊藤保徳 at 09:30| Comment(0) | 経営に関して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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