2009年02月24日

魅力の基準

今月の「私の履歴書」(日本経済新聞)は、ドトールコーヒー名誉会長の鳥羽博道氏である。

家を飛び出し、裸一貫で今日のコーヒーショップチェーンを築き上げられたが、その道のりは大変であったようだ。読んでいて感じるのは、氏の真面目でひたむきな姿勢である。
その態度行動が、人をひきつけ、チャンスを呼び込んでいるように思う。

2月23日は、「オーナーと共に」というタイトルで、「コロラド」というフランチャイズ店の経営改善についての話であった。

オーナーの性格によって経営不振に陥る店もあったようだが、氏の喫茶業への出発点は「人の不幸をつくらない」、という思いであり、こうした経営不振の店には頭を悩ませたようだ。
ある時、「店の魅力、商品の魅力、人の魅力」という言葉がひらめき、この考えで経営指導を行うことを決意された。

しかし、問題はその「魅力」という言葉であり、基準が人それぞれだということであった。

そこで、自ら店に出かけ、徹底した清掃、外壁塗装のやり直し行い、店内の絵、花、置物、椅子などを置き直したという。翌日から売上も増えたようで、その後不振店を一軒一軒そのようにしていったとのことである。

まさに、「魅力の基準」を自らが示したということになる。


このことは、組織のリーダーに対してとても重要な「態度」を示している。
先ずは、フランチャイズチェーンとはいえ、契約の論理だけではなく、「人の不幸をつくらない」という思想のもと、親身になって指導していることである。
そこには、「一緒に働く仲間」、「共に世のため人のため」という意識があるからだ。

《マニュアルや契約書にこだわらない》、と述べているように、その店(オーナー)の事情に合わせたきめ細かな指導がされている。

次は、「自らがやってみせる」ということで、「魅力の基準」を示していることである。
本文では、「店の魅力基準」のことしか紹介されていないが、「商品の魅力」や「人の魅力」についても店同様に、言葉で、態度でその基準を示されたことであろう。

リーダーとしてメンバーに対し、どんな行動を取ってもらいたいのか?
まずは「言葉」で明らかにすべきだが、それにもまして自らが望む言動を実践すべきである。

指導する時の有名な言葉に、「やってみせ、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かず」、というのがあるが、まさにこの実践である。


我社には四十数か所の営業拠点があるが、その成績にはばらつきがある。
その運営は、拠点責任者の性格によって大きく異なる。むろん、基本的なルールや運営の取り決めごとは守られているが、「魅力」という一歩踏み込んだ価値観で見たとき、不十分な点は多いといえる。

鳥羽氏の「履歴書」を読みながら、成績のばらつきはこの点にあるのではないかと思った。

別な表現をすれば、『店の魅力は商品の魅力にしかず、商品の魅力は人の魅力にしかず』、である。

やはり、源は「人」なのである。


posted by 伊藤保徳 at 10:24| Comment(0) | 経営に関して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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