2009年02月03日

人事考課

日本経済新聞の昨日(2月2日)の夕刊に、『人が人を評価する』という一文があったが、私の考えとは少し違うので紹介する。

夕刊一面の「明日への話題」という欄で、京都銀行頭取の柏原康夫氏が寄せているものだが、「人事考課」の難しさと共に、京都銀行での実施内容が紹介されている。

《長い人事部時代に最も苦痛を感じていたのが人事考課である。人が人を評価する難しさを痛感していた。どんなに公平に、同一の尺度で評価したつもりでも、評価される人にとって百パーセント納得がいくものではない。》・・・こういう書き出しで、先ずは「人が人を評価することの難しさ」を吐露されている。

次に、人事考課の目的を確認すると共に、一時期話題となった成果主義について「見直し機運」のあることを指摘の上、自社の人事考課の内容を紹介している。

その内容は、一言で言えば、「複数評価」というもので、一次評価を3〜5人の複数で行い、支店長が二次評価を行う。その結果をもって人事部長と面談、人事部の持つ統一尺度で最終決定をするというものである。

そして、現状を見て「行内の納得性は高いように思われる」、としながらも、《どこまでいっても不満の残るものである。神の手に委ねられないものだろうか。》と結んでいる。


私も人事関係の担当が長く、「人事考課」に悩んだ時期がある。
その第一は「公平性」という点である。

我社には「やった人が報われる」という、評価の基本があるが、それを「公平性を貫く」、と考えると「復数評価」とか、「多面評価」という手法が思いつく。
しかし、価値観の異なる「人」に、絶対的な公平性を求めること自体が不可能であることを感じ、「納得性」を高めようと考えた。

次に「評価の対象」である。
「人事考課」とは、本来その人の「成績」を評価するものであるが、ともすれば、「その人」を評価してしまう上位者が多いという問題がある。

こうした問題を感じながら、たどり着いたのが「目標による管理」である。
そのベースにあるのは、「能力・成果主義」であり、「能力という可能性」と「活動結果としての成果」の両面を面談によって評価をしている。


「納得性」が高まっているか否かは、「意識調査」によって確認しているが、まだ十分とはいえない。それをふまえて「管理者研修」のプログラムを用意している。
この方法を5〜6年続けている。

最近、改めて「論語」の勉強を始め思うところは、「納得」とは「信頼感」を基本に置くべきではないかと感じている。
上位者との信頼感があればこそ、挑戦的目標を自ら設定できるし、その結果に対する評価も納得できるものである。

また、評価の対象を「働くこと」全般にするべきだとも思う。
「働く」とは、文字通り「傍を楽にする」ことである。職場における全ての活動を「働き」としてみた時、その一所懸命さは間違いなくその人を成長させているといえよう。

その成長プロセスを評価することが、「人づくり」を促進することになる。
まさに、「人の成長は仕事(働き)を通じて」であり、「成長なくして成果なし」である。


評価することは難しい。
しかしリーダーたるものその責任から逃れることは出来ない。


「評価」することに、「成長を願う心」を持ったとき、信頼感が生まれ、納得性がより高まるものだと思う。


posted by 伊藤保徳 at 07:25| Comment(0) | 経営に関して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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